Q1:耐候性鋼はどうして錆びに強いのですか?
A1:耐候性鋼(たいこうせいこう)は、鋼表面に保護性錆(ほごせいさび)とよばれる、非晶質で緻密なさび層が形成し、それが水や酸素などの腐食因子の侵入を防ぎ、それ以降のさびの進行を防ぎます。 耐候性鋼のさびが比較的緻密な特殊な錆が生成することから、「さび」で錆を制するさびない不思議な鋼とよばれています。また、耐候性鋼の錆の色は茶褐色で非常に美しい色合いを呈しています。
Q2:耐候性鋼の保護性さびができるまでに時間がかかりますか?
A2:保護性さびが形成されるためには、鋼材表面に乾湿繰り返しが必要です。つまり、雨や露に濡れたり、太陽や風で乾燥したりする必要があり、それが繰り返され錆が生成しないといけません。国内の調査では、環境によって異なるものの、一般に2−5年程度かかるといわれています。
Q3:耐候性鋼を裸で使用する場合にはどんな注意が必要ですか?
A3:耐候性鋼の表面に保護性さびが形成されるためには、鋼材表面に乾湿繰り返しが必要です。常に水につかっている部分では保護性さびが生成されません。このため、耐候性鋼橋梁では、水はけを良くする、滞水対策をとる、桁端部は必要であれば塗装をするなどの配慮が必要です。