JIS耐候性鋼とは?

日本の鉄鋼メーカーの熱心な研究により、優れた耐候性鋼が市販され、国内の構造物に数多く適用されました。 耐候性鋼の使用実績が増えるとともにJIS化の検討がされはじめました。

JIS(Japanese Industrial Standards)とはJIS(日本工業規格)とは、我が国の工業標準化の促進を目的とする工業標準化法(昭和24年)に基づき制定される国家規格のことです。ちなみに、JISは、2007年3月末現在で、9,850件が制定されています。

耐候性鋼のJIS規格


溶接構造用耐候性熱延圧延鋼鋼(SMA)

耐候性鋼に関するJISは、まず、1968年に低P(りん)系の耐候性鋼が、溶接構造用耐候性熱延圧延鋼鋼(SMA)として、JIS G 3114として規格化されました。遅れて、1971年に高P(りん)系の耐候性鋼が、高耐候性圧延鋼鋼(SPH)としてJIS 3125として規格化されました。

実は、耐候性鋼とは言いながら、当時の鋼材は、ほとんど塗装して使用されたといわれています。やはり、錆びるとわかっている鋼材を無塗装(裸)で使用するのは抵抗があったと考えられます。

耐候性鋼のJIS規格

JIS G 3114-1998[SMA] 溶接構造用耐候性熱延圧延鋼鋼材の化学成分規制値、引張試験規制値を表に示します。

JIS規格の耐候性鋼

しかし、それから、無塗装使用における耐候性、耐食性のデータ蓄積が徐々に進んできました。1970年代の終わりになると、無塗装の耐候性橋梁が多く建設されるようになりました。これらの実績を踏まえて、1983年にJIS G 3114が改定され、無塗装耐候性鋼材として、SMA-Wが、塗装用耐候性鋼材としてSMA-Pが制定されました。この規格は、橋梁の設計基準である「道路橋示方書」 および「鉄道構造物等設計標準」 にも取り入れられています。ただし「道路橋示方書」における標準使用鋼材は初期工事費が安く、維持管理費も低減できるW種に限定されています。

JIS規格になるのは大変ですが、その規格のおかげで普及に弾みがつくのはよいことですね。

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